妊娠中・授乳中のワクチン接種 すぐに打つべき? 様子を見るべき?

接種が進む新型コロナウイルス感染症のワクチン。その効果や副反応について様々な情報が飛び交うなか、授乳中・妊娠中のママの中には接種を迷っている方もいるかもしれませんね。そんなワクチンの効果や影響について、ワイヤーママ誌面でおなじみ 瀬口医院ささ小児科の黒澤先生におたずねしました! 医師として、そしてママとしての意見はいかに!?

※本記事はワイヤーママ10月号に掲載されたものをもとに追加情報を加えて掲載しています。


おはなし

瀬口医院ささ小児科 黒澤ささ先生


新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進むにつれて、「妊娠中だけどワクチン接種して大丈夫ですか?」、「授乳しているから接種は控えたほうがいい?」といった質問が増えてきました。

結論から言うと、私の意見は「ぜひ早く接種してください!」です。すでに世界中で多くの妊娠中、授乳中の女性が接種していますが、副反応が出る割合も、死産や流産、早産などの頻度も、ワクチンを接種していない妊婦さんとの差は報告されていません。

それに比べて、妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、重症化する割合や早産の可能性が高まるという報告があるため、ワクチンを接種するメリットのほうが大きいと考えられます。

ワクチン接種ができない子ども達を感染から守るためには、お父さんお母さんがワクチンを接種してしっかり予防することが大切です。


授乳中のママについても同様です。現在日本で接種が行われているファイザー製、モデルナ製の両ワクチンは、「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」と呼ばれる新しいタイプのワクチンです。

このワクチンは、ウイルス等の毒性を弱めて作られた生ワクチンとは異なり、接種により新型コロナウイルスに感染する心配はありません。

ワクチン接種後の母乳について調べた研究では、母乳中にmRNAは検出されなかった、赤ちゃんに問題はみられなかったとの報告もあります。

また、ワクチン自体の成分からも、仮に多少のワクチン成分を含んだ母乳を赤ちゃんが飲んだとしても、赤ちゃんに悪影響が及ぶとは考えられません。


これらのことから、妊娠中・授乳中ともに、ワクチン接種には問題がなく、メリットのほうが大きいと考えています。ただし注意しておいてほしいのが、接種後の副反応。

高熱が出る、体がぐったりする例はかなり多く、「自分も熱が出る」という前提で準備をしておくのがベストでしょう。

仕事の休みや予定の調整はもちろん、いざというときのお子さんの預け先やなど、周りや家族の協力体制も整えて接種を受けてほしいです。

また、妊娠さんの場合使用を避けるべき解熱剤(イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)があります。医師や薬剤師と相談して、事前にしっかり準備してくださいね!


【追加情報】

さらにその後発表された論文では、ワクチンを打った母親の母乳中に新型コロナウイルスに対する抗体が分泌され、乳児に対しての予防効果も期待できるとの情報も発表されました。

ワクチンの接種を迷っている妊婦さんはもちろん、授乳中のお母さん達にもぜひお伝えしたい情報ですね!

 


瀬口医院ささ小児科 黒澤先生からのメッセージでした!

追加情報はこちらのリンク先でもチェックを~

Yahoo!ニュース
「授乳中に新型コロナのワクチンを接種しても、赤ちゃんに害はありませんか?」

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A
「私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか。」


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